照度キャッシュ

注記:ARCHICAD 22 レギュラー版のみ

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ARCHICAD 20以降、新たに照度キャッシュ方式が導入されました。他の方式に比べて、この方式には次のようなメリットがあります。

コンタクトシャドウ(コーナーエッジなどのオブジェクトが接触する場所に生成される影)などの細かい詳細が高品質で生成されます(純粋なQMCレンダリングの品質において適切な設定を使用した場合)。

新しいアルゴリズムにより、レンダリング速度が向上します。

照度キャッシュ方式(レガシー)も使用できます。「照度キャッシュ(レガシー)(CineRenderグローバルイルミネーション)」を参照してください。

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コンタクトシャドウのレンダリング品質が向上します(例:左側の画像の矢印で示した部分)。
(モデル制作:Steen Winther)

注記:このページの全ての画像は照度キャッシュを使用してレンダリングしています(プライマリの方式とセカンダリの方式の両方に使用しています)。

照度キャッシュとは

IRレンダリング時に最も重要な間接照明領域(小さい密度値を使用すると「シェーディングポイント」(事前フェーズで表示される点)が非常に明確になります)を確認するために、複数の事前計算(「事前フェーズ」)が実行され、シーンが分析されます。詳細は、下記を参照してください。

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シェーディングポイントの明るさと色の値(上の画像)が補間されており
均質的な光拡散が生成されています(下の画像)。

これらのシェーディングポイントの明るさと色の値は、「エントリ」として照度キャッシュに保存されます。照度キャッシュのエントリは最後のレンダリングで補間されて、間接光のあるシェーディングポイント間にピクセルが配置されます。

デメリット:

限られた数のシェーディングポイント間で補間を行うと、光と影の詳細が失われる場合があります(ただし、旧式の照度キャッシュ方式ほど大きく失われることはありません)。この点では、QMCにメリットがあります。

光と影の拡散については、QMCモードが常に最高のGI品質を提供します(ただし、レンダリング速度は最も低くなります)。照度キャッシュでは、可能なかぎりQMCレベルの結果に近づくように処理が試行されます。

一般的に、照度キャッシュでは非常に明るくて小さいポリゴン光を使用した場合、ちらつきが最も多く発生する傾向があります。大きくて均質性の高い光源(多くの面から光を均一に放射する照明としての天空など)は、特にIRに適しています。

注記:

以下の設定は、アンビエントオクルージョンの設定にも配置されています。いずれの設定も機能の基本原理は同じです(ただし、AOのみ記録密度が1です)。

結果にむらがあるときは、多くの場合、記録密度値を高くすると解消できます。セカンダリの方式の設定を改善することも効果的です。

記録密度

以下の設定の多くは、微調整にのみ使用されます。多くの場合、以下の設定に対応した記録密度の設定([低]、[中]、[高])を使用します。プレビューモードは最終結果の簡易プレビューを表示します。記録密度の値を手動で変更すると、[カスタム]が使用できるようになります。

一般的に、記録密度の値を変更する必要があるのは、例えば(処理が低速な[全ピクセルでサンプル]を使用せずに)ポリゴン光(GIポータルなど)の強い影を表示するような場合のみです。

最小レート/最大レート

照度キャッシュを使用してレンダリングする場合、複数の事前フェーズが最初に計算されます(事前フェーズでは四角形が表示され、徐々に小さくなります)。このフェーズでは、シェーディングポイントの拡散が確認されます。これは重要な領域(コーナー、シャドウエッジなど)に特定の強調を配置する合理的なプロセスです。[最小レート]と[最大レート]の差により、事前フェーズの回数が定義されます。

値を0に設定するとフル解像度(ピクセルサイズ1*1)になり、-1に設定するとピクセルサイズが2*2、-2に設定するとピクセルサイズが4*4になります。したがって、[最小レート]値には、[最大レート]値よりも小さい値を指定する必要があります。また、正の値を指定すると、サブピクセルのエントリのキャッシュが可能になります(これは詳細が失われた場合のSubPolygon置換に便利です)。I

結果として、これらの設定の重要性は以前のバージョンのIRに比べて低くなっています。レンダリング時間の差はごくわずかであり、合理的な値を使用するかぎり([最大レート]が0以上)、レンダリング結果はそれほど変わりません。[最小レート]に負の値を使用して[最大レート]を0に設定すれば十分です。

ストロークの密度

最小間隔/最大間隔

[密度]:全般的なシェーディングポイント密度。全般的なシェーディングポイントの拡散を調整します。以下の2つの設定が考慮されます。

[最小間隔]:重要な領域(コーナー、シャドウなど)のシェーディングポイント密度

[最大間隔]:重要でない領域(平面など)のシェーディングポイント密度

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下から上に密度値を増やした場合の比較

重要な領域と重要でない領域のシェーディングポイント密度を定義する場合、これらの3つの設定を組み合わせて指定する必要があるため、ここでまとめて説明します。

以下の画像は、上記の設定の効果を示します。

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密度/最小間隔/最大間隔の各設定による違い

すっきりとしたレンダリング画像を生成するためのヒント

重要な領域に多数のシェーディングポイントを使用します。

残りの領域には合理的な密度値を使用します。

可能なかぎり各シェーディングポイントのサンプル数を増やします。

スムージング

一般的に、スムージング設定の変更が必要になることはほぼありません。

これまでに説明した全ての設定には、シェーディングポイントの配置と計算が関連しており、多数の場所で間接照明が確認されます。このポイント単位の明るさの拡散をレンダリング時に平面拡散に変換する必要があります。スムージングアルゴリズムではこれを行うために、所定のオブジェクトのレンダリング対象のピクセルごとに照度キャッシュをスキャンして近接エントリを特定し、明るさと色の値を補間します。

スムージング値を大きくすると、所定のピクセルのレンダリング時に補間に使用されるシェーディングポイントが増加します。この設定は、近接キャッシュエントリであるかどうかを判断するしきい値になります。一般的に、値を小さくすると結果がシャープになり(多くの場合むらが多くなります)、値を大きくするとより広い領域が補間されて、均一性の高い照明が生成されますが小さい詳細が失われます。

陰影の改善

この設定値を大きくすると、GI照明が急激に変化する領域(明るいポリゴン光のGIシャドウなど)のレンダリング品質が向上します。実際の処理としては、追加のシェーディングポイントが生成されます(これに応じてレンダリング時間も増加します)。

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[陰影の改善]の値を大きくすると、影がより明確に投影されます。

重要:光の拡散を均質にするには、記録密度を大きくする必要があります。そうしないと、GI照明が急激に変化する領域にむらが生じます。

陰影の改善の値を大きくすると、GIコースティクスでもメリットが得られます。

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コースティクスレンダリング(右側)では、
QMCに比べてレンダリング時間を大幅に短縮できます。

スクリーンスケール

旧式バージョンの照度キャッシュでは、シェーディングポイント拡散を実行するときに、レンダリングする画像のサイズが考慮されませんでした。このため、80×80ピクセルの画像でも、解像度が1024×768の画像でも、同じ事前フェーズが使用されていました。画面スケールオプションを有効にすると、画像の解像度に合わせてシェーディングポイント密度が調整されます。つまり、解像度が非常に高い画像では、解像度が非常に低い画像よりも作成されるキャッシュエントリが増加します。したがって、レンダリング速度は画像が小さくなるほど速くなり、画像が大きくなるほど遅くなります。また、これによりさらに多くの詳細を表示できます。