アンビエントオクルージョン(CineRender効果)

注記:ARCHICAD 22 レギュラー版のみ

この効果は、CineRenderエンジンの[レンダリングの設定]の詳細ビューで使用できます。

アンビエントオクルージョン表示(AO)は、表面上に表示される各点が露出する度合いおよび暗くなる度合いを指定します。アンビエントオクルージョンには特定の制限がなく、GIの代わりに手軽に使用できます。

注記:AOは、レンダリングシーン全体のグローバル効果として使用する以外にも、特定の表面チャンネルへのシェーダ効果として使用することもできます。

アンビエントオクルージョン(CineRender材質チャンネル)」を参照してください。

例えば、シーンの全ての側面が天空で囲まれているとします。AOシェーダは、各表示領域が天空をどの程度表示するかを指定します。

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コーナー領域、穴、および互いに近くに配置されているオブジェクト間の領域では、天空の表示領域が小さくなります。したがって、AO設定に基づいてこれらの領域は暗くなります。

2種類のアンビエントオクルージョン計算を使用できます。

通常の「総当たり」方式では、個々のピクセルごとに環境の可視性を確認します

キャッシュを使用した高速な方式では、所定の点の可視性のみを確認し、その他全てを中間に補間します。

後者の方式は、照度キャッシュのGIモードと同様に内部で処理され、類似の設定を使用して制御されます。この方式の利点は、AO計算が大幅に高速化されることです。

下の「キャッシュ」を参照してください。

カラー

露出に応じてAOが割り当てる色のグラデーションを定義するには、[カラー]オプションを使用します。標準では、黒から白へのシンプルなカスタムグラデーションですが、他の色も定義できます。

このグラデーションは、材質チャンネルに応じてグレースケールとして処理されます。

グラデーションパラメータの調整」も参照してください。

一般

[レイの最小距離]:[カラー]で定義したグラデーションを、露出領域と非露出領域間でどのようにレンダリングするかを指定します。[レイの最小距離]の値が[レイの最大距離]の値に近づくにつれて、グラデーションは[レイの最大距離]で定義されたエッジに近くなります。

この値は変更せずに使用することをお勧めします。デフォルト設定(0)をそのまま使用してください。

[レイの最大距離]:この値は、相互に表面を表示する距離を定義します。床と壁または球体と床のように図形が接触する場所には、これらの領域を暗くするのに十分な均一の小さな光線が表面に当たります。

高い値を使用すると、オブジェクトを相互に表示できる距離範囲が大きくなります。これにより、ソフトで均質性の高い暗部が生成されますが、レンダリング時間が長くなります。通常は、低い値を使用することをお勧めします。

[分散]:各AO計算時に、シーン内の仮想半球内の各ポイントに対して、複数の光線(サンプル)が放射されます。これらのサンプルは、[レイの最大距離]内に図形が存在するかどうかを確認します。[分散]は、半球の表面に対してサンプルをどの程度考慮するかを指定します。値を0%に設定すると、半球の天頂(球体の上方に垂直方向に伸ばした点)のみが考慮されます。値を100%に設定すると、半球全体が考慮されます。

計算精度、最小サンプル数、最大サンプル数(アンビエントオクルージョン)

これらの設定はAOの品質に影響します。

品質が低いと、結果の画像が不鮮明になります。ただし、これは必ずしも悪いことではありません。実際に、美的観点から、このような画像が評価されることもあります。

均質でシームレスな遷移が必要な場合は、高品質の設定を選択する必要があります。ただし、この場合、レンダリング時間も増加します。

簡単に言うと、AOのレンダリングにはサンプルが必要です。使用するサンプル数が増えると、それだけ均質性が高まり(鮮明になり)、レンダリングに必要な時間も長くなります。一方、サンプル数が減ると、レンダリングに必要な時間が短くなります。

最大サンプル数を使用して、シーン全体の計算を行うこともできますが、 これには膨大な時間が必要であり、シーンの多くの領域では比較的少ないサンプル数で十分であるため、合理的な方法ではありません。

このために、[最小サンプル数]と[最大サンプル数]の設定が用意されています。これらを使用すると、シーン内の重要度の高い領域と低い領域で処理方法を変更することができます。

[計算精度]の設定では、高品質の結果を得るために、サンプルを配分する場所とサンプル数を指定します。重要な領域では、最大サンプル数が使用されます。

したがって、[精度]の設定では、重要な領域に与える影響が最も大きく(重要な領域に高い値を設定すると、多くのサンプルが使用されます)、重要でない領域に与える影響は小さくなります([最小サンプル数]を使用します)。

[コントラスト]:AOの効果のコントラストを調整します。負の値を設定することも可能です。

[空の環境を使う]:Physical SkyまたはHDRI Skyを照明として使用する場合、AOは別の光源がなくても機能します。[環境]の[天空]チェックボックスがオンの場合、最終的なAO画像では、反射される天空の色が増加します。

注記:この効果を付加するには、環境または輝度の表面チャンネルで[アンビエントオクルージョン]テクスチャを有効にする必要があります。

アンビエントオクルージョン(CineRender材質チャンネル)」を参照してください。

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[自己影のみ]:このオプションを有効にすると、個別のオブジェクトが相互に表示されず、自己影のみが表示されます。

キャッシュ

AOの処理は照度キャッシュと似ているため、大部分の設定が同じです。多くの場合、必要な操作は[記録密度]設定の調整だけです。

記録密度

[記録密度]は自動的に従属パラメータを定義します。従属パラメータを個別に修正する必要があるのは、AOが常に間違っているか、あるいはAOが十分な精度で表示されない場合のみです。

キャッシュを有効にする

有効にすると、AOキャッシュ(下記のセクションで簡単に説明します)が使用されます。

無効にすると、AOの処理はAC20より前のバージョンのCineRenderと同じになり、環境の可視性はピクセル単位で計算されます。

AOキャッシュの仕組み

レンダリング時に複数の事前計算が実行され(事前フェーズ)、そのときにプロジェクトの環境の可視性の面でカメラにとって最も重要な領域(コーナー、くぼんだ領域などの「シェーディングポイント」)が分析されて、AO値が計算されます。

全てのAO値はAOキャッシュに格納されてファイルとして保存できるため、後から使用できます。

次に、選択して配置されたAO値が補間されて均等化されます。

以降に記載する設定は、主にシェーディングポイントを分散させるために使用します。

調べるフォトンの数

各シェーディングポイントから半球状に放射されるフォトンの数です。AOにむらがある場合は、この値を大きくします。

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左側:[調べるフォトンの数]が小さい場合、
右側:[調べるフォトンの数]が大きい場合 (モデル制作:Steen Winther)

最小レート/最大レート

多くの場合、この2つの設定は無視することができます。効果はほぼ表示されません。[最小レート]と[最大レート]の「最低」設定(それぞれ-8)と「最高」設定(それぞれ-8と+4)の差はごくわずかです(画像を参照)。

//helpcenter.graphisoft.co.jp/wp-content/uploads/ac22_help/132-cinerenderdetailed/MinMax1.png 

[最小レート]/[最大レート]:8/-8(左側)、-8/+4(右側)

事前フェーズがレンダリングされるときに(事前フェーズでは最初に大きい四角形が表示され、徐々に小さくなります)、レンダリング密度の分散が定義されます。これは重要な領域に特定の強調を配置する合理的なプロセスです。[最小レート]と[最大レート]の差により、事前フェーズの回数が定義されます。

//helpcenter.graphisoft.co.jp/wp-content/uploads/ac22_help/132-cinerenderdetailed/MinMax2.png 

[最小レート]/[最大レート]:-7/0

値を0に設定するとフル解像度(ピクセルサイズ1*1)になり、-1に設定するとピクセルサイズが2*2、-2に設定するとピクセルサイズが4*4になります。したがって、[最小レート]値には[最大レート]値以下の値を指定する必要があります。正の値を指定すると、サブピクセル範囲でのキャッシュが可能になります。これは、例えば詳細が失われた場合のSubPolygon置換などに便利です。

ストロークの密度/最小間隔/最大間隔

これらの3つの設定は組み合わせて指定し、重要な領域と重要でない領域の全般的なシェーディングポイント密度を定義します。

[ストロークの密度]:全般的なシェーディングポイント密度であり、以下の2つの設定が考慮されます。

[最小間隔]:重要な領域(コーナーなど)のシェーディングポイント密度

[最大間隔]:重要でない領域(ビューを遮る要素がない平面など)のシェーディングポイント密度。この設定に使用できるさまざまな値は、GIの密度設定で確認できます。シェーディングポイントの分散は、AOキャッシュの分散と同じです。

スムージング

先ほど説明した全ての設定の基準となるのは、シェーディングポイントの配置とその計算です。

AOはプロジェクト内の多数の場所で選択的に確認されます。選択された分散は均一な分散としてレンダリングする必要があります。スムージングアルゴリズムでは、この処理を実現するためにオブジェクトの材質にレンダリングを行うピクセルごとに、該当ピクセルに最も近いインスタンスのAOキャッシュが確認されて、その値が補間されます。

簡単に説明すると、値が小さすぎるとむらのあるAOが生成され、値を大きくするとレンダリングの均質性が高くなります([調べるフォトンの数]が小さすぎる場合はこれを無視します)。一般的に、値が大きくなるとレンダリングするピクセルに対して、より多くのシェーディングポイントが考慮されます。

ただし、値が極端に大きすぎると、むらのある結果が生成されます。

スクリーンスケール

これを無効にすると、シェーディングポイント密度の確認処理でレンダリングの出力サイズが考慮されなくなります。レンダリングの解像度が80*80や3000*3000でも関係なく、定数が使用されます。この定数は、80*80では大きすぎであり、3000*3000では小さすぎます。

これを有効にすると、レンダリングの出力サイズに合わせてシェーディングポイント密度が設定されます。したがって、より柔軟で合理性の高いシェーディングポイント密度が得られます。

反転方向

このオプションを有効にすると、AOの効果が反転します。角と穴の代わりに、外側に向いている辺と角/ピークが見つかります。

例えば、露出した表面が残りの表面と異なる外観を持つ場合は、AOシェーダをアルファチャンネルに配置します。それぞれの表面は、外向きの辺と角/ピークにのみ影響します。

//helpcenter.graphisoft.co.jp/wp-content/uploads/ac22_help/132-cinerenderdetailed/AOInverted.png 

この機能は、シェーダ効果として適用する場合に最適です。レンダリング効果として有効にした場合、露出された領域の単純な配色のみをレンダリングできます。